25歳と2ヶ月

10代のとき、25歳になるころには何かを掴んで名を挙げたいと思っていた。

今、私は25歳と2ヶ月になったが、あの頃と何ら変わらない。どちらかと言えば後退。薄れた野心と、少し失った自信をどうにか纏わりつけて、普通の日々を過ごしている。高くもなく低くもないお給料が保証されている中で、ほどよく遊んでいる。幸せじゃないわけじゃない。むしろ充実している。

けれど、どうしても満たされないことは、まだまだまだまだたくさん抱えている。
「ま、いっか」では自分を騙せない欲望だったり、渇望だったりが、たまに全身を襲ってくる。何者かになりたくて、何者にもなれない自分。それを受け入れることができれば話が早いのかもしれないのだけれど。でも、どちらかというと、何者にもなれないことが嫌っていうよりは、単純に今の自分が好きじゃないだけ。

中二病と笑われるかもしれないけれど、別にそれでもいいと思う。少なくとも、私には誰かの夢を笑い「身の程を知れ」とケラケラ笑ってる奴らより、そいつ等に笑われながらも破れかぶれのジーンズで転びながらも前に進んでいる人が好きだから。血まみれでも涙が止まらなくても見たい景色のためになら飽きずに走り続けられる人が。


あの頃の自分が夢を馳せてた25歳に、どうやって応えようか。